社員コラム(U.T)『誰かがやってくれる。その誰か』

 11月の初旬、通勤途中の小学校近くにある、交差点で信号待ちをしていました。交差点に溜まった落ち葉を大きなゴミ袋に集めている女性がいました。街路樹から落ちたであろう葉を一生懸命集めています。翌々日、同じくらいの時間に通るとその女性がいました。昨晩、風が強かったためか、前回よりも多くの葉が落ちています。たくさんの落ち葉を手で集めていました。私は声を掛けて、最初は断られましたが手伝わせてもらうことにしました。比較的早い時間で人はほとんどいません。二人で集めるとすぐに終わりました。その女性は私に「ありがとうございます」と言いました。私は「町内会の当番で落ち葉拾いしているんですか?」と一つだけ質問をさせてもらいました。女性は「いいえ」「落ちていたので拾ったんです」と照れくさそうにおっしゃいました。そしてふたたび私にありがとうと言って帰って行きました。

 私はその「ありがとう」に違和感を感じました。当たり前にみんなの為になる事ができ、当たり前に感謝の気持ちを伝える。できないことだと思いました。たぶんその落ち葉を拾わなくても、見ない気づかない振り、他人事で過ごすことはできるんだと思います。

 それからまずは休日にしているランニングのときに、ゴミ袋をポケットに入れ、目についたごみを拾うことにしました。最近は空き缶やペットボトルなどの大きいゴミはほとんどありません。一方でマスクとカラスが荒らしたであろう燃えるゴミが飛んできたようなものが落ちています。走るコースにもよりますが、みんなが拾いづらいものが残っているようです。

 自分のためではなく、言われたわけでもなく、褒められるためでもない、誰かのために自分が手を汚し、時間をかけてする。今回、誰かがすると思ってる、その誰かを知ることができました。皆さんが住んでいる近所はどうでしょうか?近所じゃなくても住んでる市や国はどうでしょう?できることがあるならできることから、気持ちや言葉だけではなく行動することが必要だと感じます。私もそうですが、時間がないのではなく、時間を作ってやってみてはどうでしょうか?自分の義務や利益を求める以外の時間を、みんなが少し持つだけで、世の中もう少し、過ごしやすくなると思いました。

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